こんにちは、アンジュの和田です。

仕事帰りバスに乗り遅れ一時間待ちするか、地下鉄で帰るか、
一区間先に知り合いの店があるので、なんとな~く
何年かぶりに早めのランチにお邪魔することにしたんです。

店の前の自販機の確認をしていたご主人。
遠くから「こんにちは、ご無沙汰してます」
と声をかけると、すごく驚いた様子で「なんで、今日?」と
いえいえ、意味は特になく
むしろなぜ?

今日は8年前に病気で亡くなった奥さんの誕生日らしく
引き寄せたのかなぁって思ったようでした。
今でも彼女の誕生日には、ケーキを買ってお母様の顔を見に行かれるそうで
命日と、年末におせちを持って、と年に3回、ずっと続けているとか。
親より先に逝く親不孝を代わりに僕が少しでも癒せるなら、と。

彼の想いと、彼女が亡くなる前に死への恐怖で号泣していた姿が思い出され
ひとり泣きながらランチすることに。

彼は男気があり、大声で怒鳴り強気で勝手な夫で妻を泣かすこともあったよう。
一度だけ彼女が愚痴ったことを覚えています。
でも彼女が病気になったとたん、彼は人生の全てを彼女のため使うようになり
お金も、時間も、全てを捧げたんです。
いつも傍で彼女を励まし、支え、俺が守る、って・・

彼がどれだけ彼女を愛していたのか、彼女はその時に知ったと思います。
そして、彼女がどれだけ大切な存在かを彼自身もその時に知ったと思います。

今もなお彼女を愛し続け、子どもたちを自立させた彼の愛の深さに感動しました。
娘は新たな家族と父を側で支え、息子たちも立派に自立し、やっと一息つけるよ、
とおっしゃっていました。

支え合える家族があるって、どんな誘惑より強く、困難がより絆を強めるんだと
改めて感じました。

そして、彼女の記念日に足が向いたことは偶然ではなく必然だとも感じました。

帰りのバスに乗り、ただただ涙が止まらず、彼女を偲びながら彼の幸せを祈りました。